「陽に始まり、陰に終わる」~奥深き日本文化 茶道の道~

 

ここ最近、とあることがきっかけで美しい日本文化の一つである茶道に興味を持ち始めました。お茶の基礎を築いた千利休から「和敬静寂」などのような素晴らしい精神や教えを引き継ぎいくつかの流派が生まれ、作法や所作の手順、お道具、季節感といった自然に関することなど実に様々な要素から成る茶道。

 

 

「茶道は陰陽の教えを取り入れている」。

 

 

今回はそんなとても興味深いことを聞いたので、気になって調べてみました。茶道の中にも「陽に陽をあはせず」「陰に陰をあはせず」などといった精神があります。「盛んすぎることは不吉である」ことはかお祓いをすることもあったそう。

 

 

陰陽の教えからすると、数字にも重要な意味があり、その数字によってどんな茶道具を使うのかも違ってきます。考え方としては1(陽)、2(陰)と考えます。奇数=陽数、偶数=陰数となるので、茶室で用いる茶道具の「足」の数を陽数になるよう調整するなどといったことも、このあたりに起因するそう。つまり、足のある棚などの道具の足を合計して陽数になっていない場合、何かを加えることで陽数になるようバランスを取ります。

 

 

そのほかにも茶道具の一つである柄杓の向きにも陰陽がり、始めと終わりで逆になるそう。「陽に始まり陰柄終わる/陰に終われば陽に始まる」(このように引用も含めてお点前や所作を考えると、動きに迷うことも少なくなるそう)

 

 

このように自然の中での生活に思いを馳せたり、万物との調和をはかる茶道には、至る所に「陰陽」があるのです。こんなふうに、深い意味や昔から伝わる原理に基づいた教えがあったなんて全然知らなかった。所作一つをとってもとても難しく、初心者の私は何度やっても、何か月やっても同じ個所で足踏みをしてもどかしい思いもありましたが、こんなふうにちゃんと意味があるんだなと思うと、ひとつひとつのモノ・コトについてもっと知りたくなりました。一度、見回してみよう。

 

 

茶道に触れていると、お点前やお稽古などの所作の美しさだけではなく、こういった日本人のココロについても触れることができるのはとても喜びです。周りや自然界と調和しようとするココロ(陰陽から成りたつ)に触れ、日々の生活の中で忘れがちな落ち着きや、思いやり、バランスといったとても大切なことにハッと気付くことができました。

 

 

なまだまだ未知のお茶の世界。おいしいお抹茶と和菓子と仲間とともに茶道探求の道は始まったばかりです。